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さぁさぁ皆さん、お立ち会い、お立ち会い。
今宵のショータイム、ゲストはなんと、盤上の道化師さん!
この方は数年前から当カジノにいらっしゃり、カードに傷を、ダイスやサークルに細工を加えた経歴を持つ、れっきとしたエンターテイナー!
今日はそんな彼のカジノ生命を賭けた、特別ゲームに挑戦していただきたいと思います!


湧き上がる歓声。
地下の違法カジノに隣接したオークションホールを揺らす。
壇上には燕尾服とシルクハットを纏った仮面の男。
そして、彼を拘束する『赤絨毯の天魔』。


今宵彼が挑戦するのは、マジックボックス!
皆さんご存知、この箱の中に人間を入れ、ナイフで突き刺しても無事という、マジックの王道をモチーフにしたゲームです!
…なぁに、怖くはありませんよ!
賭けに勝てば天国、負ければ地獄が待ってるだけ!
普通のカジノと変わらないでしょう?
さぁ、それでは早速準備をしていただきましょう!


そのアナウンスと同時に、壇上奥の暗闇から、人の身体がすっぽり入るサイズの箱が滑り出してくる。
その箱には無数の切れ込みがランダムに入っていて、その全てに番号が刻まれていた。
仮面の男は身をよじって戒めから逃げようとする。
だが、自分を拘束する者に押し込まれて、箱へと収まった。
歓声がざわめきに変わる。
時折金属がぶつかる音が聞こえるところを見ると、目の前のショーにチップを賭けている者もいる様だった。


さて、ナイフの準備は万全です!
どこから入れていくかは……この専用の八面ダイスで決めましょう!
穴は全部で15ヶ所。0~7まで書かれたダイスを2つ転がして合計の数で、穴の場所を決めます!
同じ数字に当たったら、一度ナイフを抜いて、もう一度刺すことにします!
確率は私には分かりません!
さぁ…この盤上の道化師さんは、このゲームに勝つことが出来るんでしょうか!
それでは、


は じ め ま し ょ う !


………


…人々が去ったオークションホール。
その壇上には一人の男と、箱に収められ、無数のナイフを刺された死体があった。
「12本かぁ……まぁ、なかなかの強運だったね。いや、悪運だった、の方がいいのかな?」
緋蓮はにっこりと笑いながら、死体にそう語り掛ける。
そして手にしていた八面ダイスを、箱の隣にあったテーブルに放ると、舞台袖に目を向けた。
「梁。どうだった?今日のショーは。」
「…相変わらず、悪趣味だなって思った程度だ。」
「お褒めの言葉、ありがたく受け取っておくよ。」
舞台袖で本当のマジックで使うテーブルにもたれ掛かっていた梁に、緋蓮はにこにことそう返す。
そして軽く手を打ち鳴らして部下を呼び、自分は箱の側から離れた。
「やるならひと息、の方が、労力も掛からないんじゃないのか?」
梁はそう言って、先程舞台袖から見た光景を思い出す。
急所を外し、突き刺さっていくナイフ。
刺さる度に響く絶叫。歓声。
そして15回目に転がされたダイスは、見事1番を示し。
一際長いナイフが、箱の左上に刻まれた穴を貫いたのであった。
「梁は分かってないなぁ。面白いゲームの為には労力惜しんじゃダメなんだよ。」
緋蓮はポケットから小さな六面ダイスを取り出しながら、そう説明する。
そのダイスには…偶数の数字が存在していなかった。
「こんな風にさ。勝つための細工に労力費やすのは、間違ってるとは思うけどね。」
そう言って、緋蓮はいかさま師の遺品となったそれをポイと後ろに放り投げる。
それは放物線を描き、ステージに落ちるかと思ったが、二人から離れたところにいつの間にか控えていた部下の手に、すっぽりと収まった。
「捨てといて。それか…上手く使ってよ。」
「畏まりました。」
白髪混じりの老年の部下は、深々と頭を下げると、その場から離れていく。
それを横目で見送って、梁に視線を戻した瞬間、緋蓮の顔は満面の笑みに変わっていた。
「よーし、じゃあ、ルーレットでも回しに行こうよ!」
「…はいはい。」
そう言葉を交わして、二人は舞台袖の闇の中に消えていくのだった。

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Author:川野麟&叶助
・川野麟(小説・ブログ担当)
オフラインが修羅場

・叶助(イラスト・twitter担当)
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