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俺の名前は柳緋蓮。
裏社会でマフィアのボスやりながら、ホテル経営してる26歳。
好きな物は生き物の解体と甘い物と梁だ。
だからこの三つが揃う空間は、まさに、この世の天国だ。


本邸の敷地内。
その最奥にある廃墟の様な施設に俺はいた。
元々国軍の施設だったこの敷地には、脱走兵や捕虜を収監しておく施設があって。
そのほとんどは何代か前の頭領がここを買い取った時に壊しちゃったんだけど、一番奥の渓谷にあったここだけは残してある。
何故なら、使えるから。
オークションで出す人間の管理。売買ルートに出す内蔵の摘出。
そういった非合法な事をするには、周囲を崖に囲まれ、造りもしっかりして、外からも中からも隔離されたここは打ってつけだった。
で、そんな場所で俺は、さっきまで「商品」にならなくなった奴らの解体作業をやっていたんだけど。
まぁ、俺に掛かればあっと言う間に終わっちゃって。
今日は休日だし、夕飯までもかなり時間あるし。
施設の屋上でのんびりティータイムにするにも、一人じゃ寂しいし。
だから俺は私用のスマートフォンで、梁に電話を掛けた。
ちなみにこの電話の番号を知っているのは、梁一人だけだ。
「三時のおやつにしようぜ。」
そう提案すれば、電話の向こうの梁は子どもじゃあるまいし、と、短くため息を吐く。
でもすぐに、今から向かうから、って返事をくれた。
俺は気分が高揚するのを感じながら、着たままだった手術着を脱ぎ捨てて、施設の三階にあるキッチンに向かった。
ここは俺が高校の時に父上に頼んで改装してもらったところで、俺のお菓子作り専用のキッチンになってる。
ちなみに設備はホテルの厨房クラスだ。
同じ建物の中で解体用の水色の手術着じゃなくて、綺麗な薄ピンクのエプロンに袖を通して、手をしっかり洗う。
そして銀色に光る冷蔵庫の扉を開けた。
中には時間がある時に作っておいた、特製のお菓子が沢山入っていて。
その中からマフィンとホイップクリームを取り出した。
皿に盛り付けたり、紅茶の準備をしていると、扉をノックする音が聞こえた。
俺が応えると、扉の向こうから、普段のラフな格好の梁が顔を覗かせる。
そこからは二人で建物の屋上にあるテラスに、お菓子を運んだり、紅茶を淹れたりして、三時丁度ぐらいに準備は終わった。
空は気持ちがいいぐらいの青空。
足元には今日も命の駆け引きがされている。
そして隣には、
「今日はマフィンなのか。」
「そうだよ。クリーム付けて食べてね。」
俺の作ったお菓子を嬉しそうに食べる梁がいて。

あぁ、俺の幸せはここにあるんだ。
そう思うには、充分な世界が、そこには広がっていた。
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Author:川野麟&叶助
・川野麟(小説・ブログ担当)
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