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「おらおらぁ!そんな腕で俺達に喧嘩売ってたのかぁ?!」
メイソンのそんな叫び声と共に、目の前でハンドガンを構えていた二人の東南アジア人の体から血飛沫が吹き出した。
「っしゃあ!4人目!」
「楽しそうだな。」
ガッツポーズをする彼に、追い付いた梁が言う。
「別に殺すのは楽しくないっすよ。ただ、やっぱりアサルトカービンの音はいいっすねぇ…。最高。」
そう言った直後、悦に浸る表情に合わない素早い動きで、メイソンは物陰に隠れる。
同時に甲高い金属音を立てて銃弾が数発通り過ぎていった。
「ひゅぅ。あぶねー。」
メイソンはけたけたと笑うと、お返しと言わんばかりに霞む視界の向こうに鉛玉を撃ち込んだ。
彼の弾幕の合間を縫って、梁と緋蓮は更に前へと進行する。
そして敵の運び屋の影が見えるや否や、二人のハンドガンが火を噴いた。
薄れていく白い煙の中、赤い飛沫が飛び散る。
緋蓮と梁はそれぞれ近くのコンテナの陰に身を潜め、煙が晴れていくのを待ち、視界が晴れたと同時に慎重にその場から動き出した。
辺りは静寂に包まれていた。
どうやら敵のほとんどを片付けた様だが、まだ油断は禁物だ。
背を合わせ、ゆっくりと、先程まで敵地だった場所を進んで行く。
まるで一つの生き物の様に、二人は死体の山避け、血の海を越えていった。
時々うめき声が聞こえるところを見ると、まだ息のある人間がいる様で。
片付けるか、人質や情報を聞き出すツールとして使うかを二人は視線だけで話し合う。
緋蓮と梁は5歳の時に出会った。
以来ずっと共に育ち、そして初めての二頭制当主として今も共に暮らしている。
18年を超える月日の中、二人の息の合いようと、考えを察する力は、紫鱗曾全てのチームにも、勝る事は出来ないものだった。
二人は言葉を交わすことなく、「殲滅」という結果を伝えあう。
そして各々の銃のトリガーに力を込め、再び周囲に注意を巡らせた。
…その時だった。
突然、二人の方向にレーザーポイントが向けられた。
「「!」」
緋蓮と梁は咄嗟に身を伏せ、直後に通過した弾丸をかわす。
…だが、しゃがんだ位置が悪かった。
梁の目の前に折り重なる様に倒れていた二つの死体。
その下にいた敵は、まだ息があった様で。
梁の急所が動けない自分のハンドガンの射程圏に入るのを待っていたらしい。
梁はそれに気付き身を翻したが、放たれた内の一発の銃弾が、彼の肩口を掠める。
「ちっ!」
煙と赤い血が散った事に舌打ちしながらも、梁は蹴りで相手の銃を弾き飛ばした。
そして相手の眉間に向けて、鉛を打ち込む。
最初に二人を狙った相手はどうやらメイソンのアサルトカービンの餌食になった様で、その後の銃撃はなく。
更に銃撃しやすい位置にいる二人に対しての追撃もなかったところから、どうやら全て片付いた様だった。
「メイソン!部隊を連れて奥まで突っ込め!今ので全部だ!」
「了解!」
梁は自分の銃をしまいながら、メイソンに指示を飛ばす。
そして自分が受けた掠り傷に触れた。
掠めただけとはいえ、高熱を帯びた弾丸は、皮膚を灼き裂く。
触れた場所からはぴりっとした痛みが広がった。
「…冷やさねぇとな。」
そう呟いた時だった。
突然、怪我をした腕が引っ張られ、真っ黒な瞳がそれを凝視する。
「緋蓮?」
「………。」
梁の問い掛けに応える事なく、緋蓮はじっと怪我を見ていた。
その目は、更に深みを帯びていた。
「…大丈夫だ。」
嫌な予感のした梁は、そう言って緋蓮の手に指を掛け、離させる。
そして立ち上がると、メイソン達が向かっていった方、敵のトラックがある方へと走り出す。
緋蓮は離された手をじっと見つめていたが、やがてゆっくりと立ち上がり、

…一人、逆の方向へ歩いていった。


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Author:川野麟&叶助
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